私が青春を賭けた人が、今も共に暮らした箱崎にいます。
ほそぼそと、たんたんと、最低限の生活を大学卒業から現在48歳に至まで続けてます。
好きな本に囲まれて。
唯一ささやかな夢だった古本屋をぎりぎりの暮らしで続けながら。
でも古本は売れない。買い取りの持ち込みはたっぷり来るけど。
バカお人好しな彼は、たっぷり来る買い取り依頼すべてに応えて
困った果てに、数台のゲーム機を置いた。
これが勉強したくない大学生相手にちょっとした繁盛をみせ
一生、古本屋の肩書きを維持できるとのんびりしてた。
ゲーム機の客相手に小銭を両替して、自分は大好きな辻潤のダダイズム論など読み
メダルの最高枚数を出した!と客が喜べば
「◯○君、メダル数◯○枚おめでとう!」と画用紙に手書きして壁に貼った。
そんな彼から久しぶりの電話を受けた。
私の結婚への祝辞と、店を閉める知らせだった。
お察しでしょうが、古物取り扱いの許可証でゲーム機は運営できません。
「おっちゃんの態度次第では摘発かなぁ」とフクオカポリスに肩をたたかれたのです。
店を閉めるにあたり、沢山の古本と雑誌、エロ系ビデオ等が路頭に迷い
いくつもの買い取り業者に掛け合ってもいらないと追い返される。
あれだけ自分が親身に買い取って置いてきたものが、一冊もいらないと。
なんとも、器用さの欠片もない彼らしい幕引きのように思われました。
全部あげる、もらってほしいと言ってます。
忙しい年末ですが、年内いっぱいで閉店です。
興味のある方は覗いてみてください。
だいまるdaiちゃんから聞いて、といえば穏やかな笑顔で迎えると思います。
エッチな系統も遠慮なくどうぞ。
※追記
わずかですがCDやレコードもあります。結構変わったセレクトも混ざってます。
月刊ガロ、などちょっと良い物も。
レジの後ろで焼酎飲んでけ、と勧められる可能性があるので、
バス&地下鉄がベターです。
この数日のあいだに、私の家族に起こった出来事をご存知のかたは
「なぜ、このインフォメーションが先に?」
と不思議に思われるかもしれません。
ですが
愛する故人を大切に想っていく、ということは
今、触れることが出来る人を大切にしていくということ。
こんな程度のことしか出来ないけど。
可能なかぎり助けたい。
そう私は感じるので、ね。
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